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歯科医院では、クリーニングという治療を行っています。
例えば、毎日のブラッシングで落とせなかった歯垢を取ったり、歯石を専用の道具で取り除いたりするのが一般的なクリーニングです。
こうしたクリーニングは、口内に軽い歯肉炎ができていたり、歯周病になりかけてたりする場合に行われます。
病気の治療ということになるので、健康保険が使えます。
ですから、国の定めた手順に従って、検査と治療を行わなければなりません。

一方、歯をクリーニングするということではPMTCと呼ばれる方法もあります。
これは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」を略したもので、プロが専用の道具を使って歯をクリーニングするという方法です。

これだけでは、一般のクリーニングとPMTCはどこが違うのだろうと思われるかもしれません。
実は、PMTCは完全に虫歯や歯周病の予防のために行われるので健康保険が使えないのです。
逆に言うと、国が定める制限を守る必要がないので、より徹底した歯のクリーニングが可能になります。

保険が使えない分費用が高くなってしまいますが、歯の病気を予防するという点ではとても効果の高い方法です。
汚れをしっかりと落とすことによって、見た目にも歯がきれいになるので定期的なPMTCをおすすめいたします。

一般財団日本口腔法人から引用

歯の表面についた白いものをプラーク、または歯垢と呼びます。
実はこのプラークは食べかすではありません。
細菌の塊なのです。プラーク1gの中には1000億もの細菌がひそんでいるといわれており、その中には虫歯や歯周病を引き起こす細菌も含まれています。

このプラークは、毎日の歯磨きによってある程度取り除くことができるものの、完全には落とせません。
なぜなら、最近同士がしっかりとくっついてへばりついているからです。
この状態をバイオフィルムといいます。

どういう状態かというと、キッチンの排水口を想像してください。
ヌルヌルの汚れがへばりついていませんか？あの状態が口の中で起きているのです。

バイオフィルムの中にひそむ虫歯や歯周病の原因菌は、歯を溶かし続けています。
ですから、定期的なPMTCは虫歯や歯周病を予防するためには欠かせない治療なのです。

バイオフィルムは細菌同士がしっかりとくっついて歯にへばりついている状態ですが、さらに悪いことに、その状態では抗菌薬が効果的に作用しないのです。
ですから、虫歯菌や歯周病菌を殺菌する成分が含まれたマウスウォッシュを使っていても、虫歯や歯周病を完全に防ぐことはできません。

では、一体どうすれば良いのでしょうか。
バイオフィルムに対して効果的なのは、物理的に細菌同士を引き離すことです。
つまり、毎日の正しい歯磨きを行うことが基本となります。最近同士を引き離してしまえば、抗菌剤も効くようになります。

しかし、正しい歯磨きがうまくできていない人が少なくありません。
PMTCでは、歯科医院での徹底的なクリーニングだけでなく、正しい歯磨きの指導も行います。
毎日の正しい歯磨きと定期的な歯科医院でのPMTC。

この2つを併せて行なうことが虫歯や歯周病を予防するための効果的な方法なのです。