口腔機能は乳幼児期から学齢期に発達し、大人になると維持、高齢になると衰えていきます。子どもの頃に十分な口腔機能を獲得しないと、高齢期以降の衰えが早まり、噛む・飲む・話すことが困難になることもあります。生涯にわたり健康に過ごすためには、幼少期からの適切なケアが重要です。

舌の位置が定まらない、舌の筋肉が発達しきれないなどで低位舌になると、以下のような影響も出てきます。
それぞれの口腔機能が発達しきらないことによる影響やリスクを詳しく見てみましょう。

口腔機能が十分に発達していないと、口唇閉鎖力低下による食べこぼし・滑舌の悪さ・口呼吸の常態化、舌圧低下に伴う嚥下（飲み込み）力の低下などが出てきます。こうした症状がみられる場合は、口腔機能発達不全症の検査を行い、現在の状態を正しく評価することが大切です。当院で行っている口腔機能発達不全症の検査は、主に以下の2つになります。

リップルトレーナー

幼少期からお口周りの筋肉を中心とした表情筋を鍛えることができるトレーニング器具です。この器具を使用すると、お口がぽかんと開いてしまったり、口呼吸をしやすかったりといった、口唇閉鎖不全症を予防していけます。本格的な矯正治療の前段階の治療として実施することで、矯正治療せずに経過をみることも可能になります。

ペコパンダ

嚥下（飲み込み）に必要な舌圧を強化するために開発されたトレーニング器具です。舌で押しつぶし、力を緩めると元の形に戻るといった性質があり、くり返し使用することで舌圧を身につけることができます。持ち手には指を入れる穴が付いており、万が一の誤飲を防ぐための設計がなされています。

口腔機能発達不全症を予防するために、0歳から歯科検診を受けることをおすすめしております。抱っこの仕方や哺乳の仕方、離乳食の与え方など、赤ちゃんの時から適切なケアを行うことで、お子さんの健やかな成長・発達をサポートできます。お子さんが生後2ヵ月以降であれば診察が可能です。お気軽にご来院ください。

歯並びが悪くなる原因には「遺伝要因」と「環境要因」があり、特に「環境要因」は子どもの歯並びに大きな影響を及ぼします。たとえば、お口周りの筋肉が十分に発達しないと顎が正常に成長していかず、発音・嚥下（飲み込み）・呼吸などのトラブルを引き起こします。この状態は「口腔機能発達不全症」と呼ばれており、慢性化すると歯並びが悪化し、見た目にも影響が出てしまうこともあるのです。小児矯正では、年齢や口腔機能の発達などを踏まえた適切な治療が必要となってきます。

小児矯正治療にはⅠ期治療とⅡ期治療の2種類があり、年齢によって治療内容が分かれます。
当院では、Ⅰ期治療の前段階として「口腔機能発達指導」を行い、お子さんの健やかな成長をサポートします。