大切な歯を失ってしまったら?
歯を失ったままにしておくと・・・
虫歯や歯周病を治療せずに放置していると、やがて治療ができなくなるまで歯が悪くなってしまい、抜歯せざるを得なくなります。
さらに、歯を失った状態をそのままにしておくのも良くありません。
歯と歯のスペースが広がって、食べ物を噛む力が弱くなったり、歯垢が溜まりやすくなったりするからです。
さらに、歯を失ったまま放置していると、次のような不具合が発生します。
- 不具合その1 「対合する歯が伸びてくる」
- 不具合その2 「両隣の歯が倒れてくる」
- 不具合その3 「噛み合わせが悪くなる」
- 不具合その4 「見た目の印象が悪くなる」
噛みあう歯が無いと、対合する歯は徐々に伸びていきます。
例えば、下の歯を失うと、ちょうど上にある歯が下の歯ぐきに当たるくらいまで伸びてしまいます。
歯が無くなってしまった部分の両隣の歯のバランスが悪くなり、歯がない方向に倒れてきます。
歯が無い状態が長くなるほど歯列全体の並び方がおかしくなってしまいます。
歯が倒れたり移動したりすることによって、全体の噛み合わせが悪くなります。
失った歯が多ければ多いほど、食事がしにくくなり、さらなるバランスの悪さにつながります。
また、噛み合わせがずれることによって、顎関節症や肩こり、頭痛など、からだ全体の不調を引き起こす可能性も出てきます。
歯が無くなると、歯を支えていた骨もやせてしまうので、歯ぐきの位置が下がって歯と歯ぐきのバランスが悪くなります。
また、奥歯を失うと頬のラインはあごのラインにも変化が生じ、痩せこけた印象になります。
失われた歯を補う為の治療方法
何らかの理由で歯を失ってしまった場合は、口腔全体にさまざまな不具合が発生する前に、人工の歯で補う治療が必要です。次のような治療方法があります。
インプラント
この治療法のメリットは、両隣の歯を一切削る必要がなく、噛む力をかなり回復させることができるという点です。
インプラントは、骨としっかりと結合する性質を持っています。
一度くっついてしまえば、ほとんどの食品を食べることが可能になります。
歯を失うと、歯を支えていた骨も痩せてくるので歯ぐきが下がってしまいます。
しかし、インプラントを使っていると歯ぐきの健康状態も維持することができます。
失った歯の治療としては、新しい方法ですが、しっかりと噛む力を回復させることができるインプラントは、先進国では第一選択肢となっています。
入れ歯
その歴史は古く、古代エジプトではすでに入れ歯が使われていたようで、ミイラとともに木製の入れ歯が発見されています。
入れ歯は、天然の歯がどれ位残っているかによって、部分入れ歯と総入れ歯という2つのタイプがあります。
部分入れ歯の場合は、残っている歯にバネをかけて外れないようにすることができますが、総入れ歯は支える歯がないために、使用する材料によっては安定させることが難しい場合があります。
しかし、近年は入れ歯にもさまざまな技術が用いられています。
床(しょう)と呼ばれる入れ歯の土台になっている部分にチタンや金属を使っているタイプでは、食べ物の温度を感じることができるので、美味しく食事ができます。
シリコンを使ったタイプでは、違和感が少ないので天然の歯に近い使い心地を実現しています。
歴史の長い治療法だからこそ、さまざまな工夫が凝らされており、多くの人の症状に対応できるのが入れ歯の魅力といえるでしょう。また、不具合が生じたときに修理しやすいというメリットもあります。
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