乳幼児期
0才から5才くらいのお父さま、お母さまへ
お母さん、乳歯はとても大切なんですよ!
すこやかな成長をになう乳歯
乳歯は生後6ヶ月ごろから生え始め、2歳半から3歳くらいまでに、上下合わせて20本が生えそろいます。
お母さん、乳歯はどうせ抜けてしまうから、少しくらい虫歯になっても大丈夫、なんて思ってはいませんか?
もし、乳歯が虫歯のために早く抜けてしまうと、噛むことができず、体の正常な発育が行えません。
特に、6歳まではお口のなかはとても変化する時期なので、こどもと一緒に虫歯にならないよう心がけましょう。
乳歯の役割の大切さ
- 食べものを噛む
- 永久歯が正しい位置に生えるための目印
- 顔の形を整え顎の発育を助ける
- 発音を助ける
- 全身の発育促進
乳歯は永久歯のナビゲーター
早く抜けると歯並びに悪影響
乳歯は、食べ物を噛みくだき、どんどん栄養をとって成長するためには、なくてはならないものです。
しかも、こどもの顎のなかで永久歯がつくられる大切な時期。虫歯になって歯が抜けたり、顎の発達が悪いと永久歯が生えてくるスペースが確保できないため、歯並びが悪くなってしまします。
歯と歯ぐきの健康にも悪い影響をおよぼすので、歯みがきとしっかり噛む習慣をつけさせましょう。
早く抜けてしまうと…
- 歯みがきしにくい
- 歯垢や歯石がたまりやすい
- ものが充分に噛めない
- 食べかすがついて汚れやすい
- 息が漏れて正しい発音ができない
ワンポイントアドバイス
むし歯予防は、正しいブラッシングから
むし歯にならないためには…
① 食べたらすぐに歯をみがく。
(歯みがきできないときはうがいをする習慣をつける)
② 栄養のバランスがとれた食事で歯質を強くする。
③ 規則正しい食生活(だらだらと間食をとらないこと)
④ 定期検診を受けて予防や早期発見を心掛ける。
家族の協力が大切
子どもがひとりでブラッシングできるようになるまで、むし歯は保護者の責任です。
こどもを膝まくらで寝かせると、ちょうど歯医者さんが 患者様のお口の中を診るように、くまなく見ることができます。
夜寝るまえの歯みがきは、母と子のスキンシップを深めながらムシ歯予防ができる、かけがえのない時間になるでしょう。
むし歯になりやすいところとブラッシングのポイント
- 上の前歯の歯と歯の間
- 奥歯の溝の部分
- 奥歯の歯と歯の間
!むし歯になりやすい前に的を絞って!
!みがく順序は奥歯から!
!痛みを感じやすい上の前歯は最後に!
仕上げ・点検みがきのポイント
上の前歯・上唇の裏のスジをひっかけないように人差し指でガード
奥歯は人さし指で頬を膨らませるとみがきやすい (アーンと開けさせると逆にハブラシが届かない)
子どもをまっすぐに寝かせる (あぐらを組むとより安定します) 歯をよく見て、確実にブラシをあてましょう (歯肉、舌などにブラシを当てないように)
歯の面にまっすぐ歯ブラシをあて、歯茎を傷つけないように優しくみがきます。
歯ブラシを歯の面に直角にあて、 こまかく振動させます。
奥歯と奥歯のかみ合わさる面の溝は汚れのたまりやすい部分。
溝にそって、手前にかき出すようにして汚れを取り除きます。
広がったハブラシは交換しましょう。
歯垢をきれいに落とすことが出来ないだけでなく、歯ぐきを傷つけます。
乳歯はむし歯になりやすい
はやい、むし歯の進行。
乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄く、軟らかいため、一度むし歯になってしまうと進行が早く、5~6ヵ月くらいで神経近くまで進んでしまいます。
そこまでむし歯が進んでも、子どもは気づかないことが多いので、必ずお母さんが気をつけて、お口の観察を行いましょう。
子どもと大人のエナメル質の差
子どものむし歯の原因
むし歯はどうしてできるの?
歯垢(プラーク)はむし歯菌のかたまり
糖質の入ったものを食べると、お口のなかのむし歯菌(ストレプトコッカス・ミュータンス菌など)がそれを栄養にしてグルカンを作ります。
ねばねばとしたグルカンは歯にくっつき、さらに増えていきます。
このむし歯菌などのかたまりが歯垢です。
歯垢のなかでは、バイ菌によって酸が作られます。酸は、硬いエナメル質を溶かし、むし歯を作ります。時間を決めずにダラダラと食べていると、むし歯になる機会が増えていくことになります。
むし歯の発生
乳歯のむし歯の特徴
おやつ=おかしだと思っていませんか?
おやつは食事で取りきれない栄養素を補うもの
幼児は胃袋が小さいために、三度の食事だけで必要なエネルギーを補給することはできません。
そこでおやつが必要になってくるのです。
また、おやつを与えることで情操を豊かにします。
しかし、“おやつ=おかし”ではありません。
市販のおかしのほうが手軽で子どもも喜びますが、砂糖がかなり含まれています。
とはいっても、あまり神経質になりすべてを取り上げてしまうのは、子どもにとって悲しいことですね。
おやつをむし歯の原因にしないために、おやつの与え方と種類を考えましょう。
① おやつの時間を決めましょう
常におやつが食べられる状態だと、三度の食事のときにおなかがいっぱいで、食事をきちんと食べられなくなってしまいます。
また、だらだら食べがむし歯の大敵になります。
② おやつの分量を決めましょう
決まった小皿に1人分として出しましょう。
もっと欲しがる時は「次のおやつの時間にね」とがまんすることも教えましょう。
③ おやつの組み合わせを考えましょう
おやつは甘いものとは限りません。
果物やお芋でもいいでしょう。
しかし時には甘いものも欲しいですよね。
その時は飲みものとの組み合わせに気をつけて!
ケーキにジュースの組み合わせでは砂糖の量がかなり多くなってしまいます。
甘いものには水かお茶を組み合わせましょう。
④ 食べたら歯みがきを忘れないで!
まだ歯みがきができない場合や、お出かけ先などで歯みがきができない場合、ブクブクうがいだけでもかなり効果があります。
うがいもむずかしいようでしたら、おやつのあとにお茶を飲ませて、お口の中の糖分を減らしておきましょう。
あわてないで!いざという時の救急メモ
家庭でできる応急手当 口の中のケガ
よちよち歩きの頃の赤ちゃんは、転んだりぶつかったりして、口の中をけがするトラブルによく見舞われます。
まず、口の中を切って出血していないか、歯が折れたり抜けたりしていないかを確認して、適切に処置しましょう。
まず、口をあけて、出血の有無や、歯や歯ぐきの状態を調べる
出血している場合
- 血を飲み込まないように、吐かせるか、清潔なガーゼなどで口の中の血をぬぐいとる。
- ぬるま湯で口をゆすぐ。
- 出血しているところにガーゼを当て、強めに5~10分程度押えて止血する。
歯が折れた・抜けた場合
- 消毒のため、口の中をうがい薬などでよくゆすぐ。
- 抜けたところが出血している場合は、丸めたガーゼなどをかませて止血する。
- ほおや口もとを冷たいタオルなどで冷やしながら、折れた歯、抜けた歯を持って、至急、歯科を受診する。状態によるが、自分の歯を使っての修復が可能な場合もある。
歯を持っていく時
折れた場合
折れた歯が1mm以上の大きさの場合は、そのかけらをガーゼやティッシュに包んで持っていく。
抜けた場合
歯に砂などの汚れが付いていても、牛乳の中で軽く振り洗いする程度にとどめる。
この時、抜けた歯の根っこの部分ではなく頭の部分を持つようにする。
その後、冷たい牛乳に浸して持っていく。
※ 牛乳は歯を保護する成分が含まれているので、抜けた歯を一時的に保管することができます。
こんなときも、すぐに歯科を受診しましょう
ぶつけた直後に…
- 歯がぐらぐらしている
- 歯の位置がずれている
- 歯が歯ぐきに食い込んでいる
- 歯の周りがドーナツ状に出血している
ぶつけた数日後に…
- 歯が変色してきた
- 膿(うみ)が出てきた
- 歯ぐきが腫れてきた
噛むことの基本は、正しい食生活から。
赤ちゃんの頃から“噛む習慣”を
こどもは、噛むことの訓練を重ねながら、次第に“噛む習慣”を身につけていきます。
食事は歯ごたえのあるものを心がけ、こどもの食べる早さにあわせて、噛むことを根気よく教えてあげましょう。
また、この時期のこどもの間食は、三度の食事だけでは不足がちな栄養を摂るためのもの。
つまり捕食と考えた方がよいでしょう。
「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、小さい頃覚えてしまった甘いもの好きは、一生変えることができません。
離乳期からうす味、食べ物本来の味を教えることが、ムシ歯予防にもつながります。
顎をきたえよう
【離乳期】
上顎をきたえる |
お子さんの歯の気がかり
歯の生える時期
標準的な乳歯の生える順序は、真ん中の前歯(乳中切歯)から生え始め、前歯の横の歯(乳側切歯)、第1乳臼歯、犬歯が生え、最後にいちばん奥の歯(第2乳臼歯)上下が生えるという順番で、全部で20本の乳歯が生えそろいます。
すべての歯が生えそろう時期は2才6ヶ月が平均的ですが、時期や順序には個人差が大きく3才で生えそろっていない子もいます。
歯は3才半ごろまでに生えそろえば問題ありません。
小児科で診てもらうと、「歯のようです」と言われてビックリ。
こんなに早い時期に生えてくることってあるの?
実際に見ていないので断定はできませんが、月齢からして、上皮真珠(歯が作られたときの組織が残って歯ぐきの表面に出てくるもの)の可能性もあります。
上皮真珠であれば、自然に消えるので処置の必要はありません。
歯であるかどうかも含めて、一度診察させて頂ければと思います。
すでに第3歯が生えていて、どう見ても第2歯が出てくるスペースはありません。
このままだと斜めに生えてしまう?永久歯にも影響が?
この場合は「先天性欠如」といって、歯の本数が本来より1本少ない可能性があります。
乳歯ではよくあることで、とくに気にする必要はないのですが、その部分の永久歯も欠如していることがあります。
その場合には、処置が必要かもしれません。
対処法はケースによって違いますが、今は心配しすぎずに、3~4才で一度、歯科医院に相談してください。
虫歯の心配
手遅れになる前に虫歯に気づく方法はありますか?
乳歯のむし歯はほとんどの場合、痛みを感じたり、しみたりすることはありません。
ですから、子どもが歯を痛がるときは、相当むし歯が進行している可能性があります。
また、歯と歯の間など見えにくい部分がむし歯になっているケースがあるので、お母さんが初期段階のむし歯を見つけることはむずかしいと思います。
ご心配でしたら、北越谷歯科で定期的に歯のチェックをさせて頂きます。
歯並びの心配
歯の大きさはいつか同じになるのでしょうか?
前歯は下の歯よりも上の歯が大きいなど、歯の種類によって大きさは異なります。
歯が大きく感じるのは、歯に対してお子さんの口がまだ小さいからかも。
今は生え方に段差があってもこれからまだまだ変わります。歯の大きさはすり減る以外、変わることはありません。
その他の心配
赤ちゃんでも歯石がつくことがあります。
歯石は唾液中のカルシウムが歯垢に沈着して硬くなるもので、特に唾液の出口に近い下の前歯につきやすく、家庭では取れません。
放置しておくと乳歯でも歯肉炎の原因になりますので、歯石が大量についている場合は、北越谷歯科にお越しください。その際、正しいブラッシング法も指導させて頂きます。
歯に負担がかかっているようで心配になります。
前歯が数本生えた時期に、上下の歯をこすり合わせたり、音を出したりすることはよくありますが、歯への負担や歯並びへの影響は心配ありません。
この歯ぎしりは時期が来れば自然としなくなるものですから、無理にやめさせようとしたりせずに見守ってあげましょう。
- 北越谷歯科は、東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)「北越谷駅」から徒歩2分です。
越谷市北越谷2-42-10-1
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