「何かあれば左手を挙げて下さいね」
何か治療を始める際に、そう伝える場合が多いのですが、そう言われたことはありますか??
左手を挙げていただくというのはきちんと理由があります。
一つは、口を開けたままですと、お話していだだくことができません。
合図を送る方法として、何か体で合図していただくしか方法がありませんので、手を挙げていただくのが、一番簡単なサインなのです。
二つ目として、担当医が患者様の右頭上の位置から治療をすることが多く、器具を置いているテーブルもちょうど右手にありますので、右手ですとぶつかってしまい危険な場合があり、左手を挙げていただく方が安心なのです。
三つ目として、特にお子様の場合、痛い時の合図がわからないと、治療中に急に頭を動かしたりして危ないことがあるからです。
患者様の中には、気兼ねをなさって、ぐっと痛みをわからないようにこらえてしまう方もいらっしゃるようです。
我慢していただくのは恐縮のかぎりではございますが、痛みをこらえるというのは、お身体にとって良いものではありません。
痛みが記憶に刻み込まれて、歯科への通院が嫌になってしまう方もいらっしゃいます。
患者様の歯を良い状態で保つために力を尽くそうとしている私達にとっては、本末転倒な話となってしまいます。
何か不快に感じた際には、すぐにサインを送っていただければ、一旦中断したり、麻酔を追加したりというように、何かしらの対処はいたしますので、ぜひ、気兼ねなく、左手を挙げていただければと思います。

